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●新日曜美術館 「洋画から日本画へ」 〜小杉未醒の歩んだ道〜


小杉国太郎。洋画での画号を未醒、後に日本画に転身し放庵と名乗る。
洋画と日本画の狭間で独自の境地を切り開くことにより、日本の美術史の上に
刺激的な問題を提起し続けた人物である。未醒の名を有名にしたのは、明治44年
文展で最高賞を獲得した油彩画「水郷」だった。しかし、ヨーロッパへの遊学は未醒を
大きく変える。フランスのピュビ・ド・シャヴァンヌの壁画に法隆寺の壁画にも通じる、
静謐さと気高さを発見したことと、東洋画の線の持つ奥深さを認識したことだった。
洋画、日本画を問わず画家たちが新しい表現法を求めて呻吟していた大正時代、
ヨーロッパから帰った未醒の作品は、淡い色彩と陰影のない単純化されたフォルムで、
きわめて平面的な独特の表現になっていった。そして、昭和2年、洋画家小杉未醒の
集大成として東京大学の安田講堂壁画を完成させる。それは、油絵でありながら
日本的な情趣をたたえた「日本の壁画」の傑作として評価され、人々の注目を集めた。
そしてその後、未醒は放庵と名乗りもっぱら日本画の世界に没頭してゆく。日本画での
放庵は、それまでの「芸術的絵画」と言う呪縛から解放されたように自由闊達な作品を
創り上げていく。「寒山拾得」、「酔李白」などに見られる画面からはみ出さんばかりの
人物像。花鳥画でありながら異様に大きな岩を描いた「春秋屏風」、「梅花遊禽」。
さらに海外の新しい美術思潮を吸収し、「山寺有酒」、「賣花翁」など構成主義、
新造形主義に共通するような斬新な作品を生みだした。番組では、小杉放庵美術館に
所蔵されている放庵の日記を手がかりに、苦悩しながらも洋画と日本画の狭間で
独自の境地を切り開いていった一人の画家の遍歴をたどる。
(text from NHK site)

NHK教育 45min 2004-02-22 Air ckeck by Sony Giga Video Recorder v4 Stereo (MPEG-1)










 

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