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●新日曜美術館 「原点復帰」 〜中平卓馬の世界〜


先鋭的な作品で「伝説の写真家」と呼ばれた中平卓馬(1938年生まれ)。
1960年代から70年代にかけて、森山大道らとともに、画面を荒々しく傾け
不鮮明にする「アレ・ブレ・ボケ」写真で、安保闘争や反戦運動で揺れ動く時代の
空気をとらえ、熱烈な支持を受けた。1973年、中平は著作「なぜ、植物図鑑か」で
過去の自作を否定し、図鑑のように情緒も意味も排した写真を撮ると宣言する。
きっかけは沖縄返還協定への抗議運動の中で警官が死亡し、新聞に掲載された
現場写真を証拠として青年が逮捕された事件だった。客観的記録としての写真に
意味が付与され、利用される危うさを中平は痛感する。苦悶しながら新しい写真を
模索していた'77年、中平は飲酒中に昏睡、ほとんどすべての記憶を失った。
生死の境から生還した中平がただ1つ覚えていたのが写真を撮ることだった。
以後中平はたゆまず撮影を続けている。ジーンズに赤い野球帽、肩には愛機を下げ、
毎日午後の決まった時間、自転車で撮影にでかけるのがこの25年間変わらぬ日課だ。
被写体は路上で見つけた猫、川辺の水鳥、眠るホームレスなど。フィルムはカラー、
レンズは100ミリ、隅々までピントを合わせ、あるがままに撮る。被写体は中平の
写真の中で強い生命力を放ち、時に実物以上の存在感で見るものに迫る。
それは、中平が倒れる直前まで模索していた「図鑑のような」写真だった。
中平は今、何を見つめ、何を語りかけようとしているのか。番組では、同時代を生きた
人々の証言、中平のドキュメンタリー映画を2年がかりで完成させた若手写真家・
ホンマタカシのインタビューを交え、日本の現代写真界を席巻し続けてきた
伝説の写真家・中平の世界をたどる。
(text from NHK site)

NHK教育 45min 2004-02-29 Air ckeck by Sony Giga Video Recorder v4 Stereo (MPEG-1)










 

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