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●「雨あがる」 When The Rain Lifts

小泉尭史監督 1999年 雨あがる製作委員会

「太陽が沈んだ」と、その死を世界中から惜しまれた偉大な監督黒澤明。彼が最後まで映画化の希望を捨てなかった脚本を、二十八年間助監督として師事した小泉堯史が完成させ、その遺志を継ぎ初監督に挑戦する。『椿三十郎』『赤ひげ』『どですかでん』と山本周五郎原作の名編がベースにされた黒澤監督の名作群。最後まで映画化に向けて手を入れていた脚本は二本あり、その一本が「なんの花か薫る」「つゆのひぬま」を脚色した『海は見ていた』。そしてもう一本が、短編小説「雨あがる」を脚色した本作『雨あがる』である。
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時は絢爛の元禄を経た質実の享保時代。武芸の達人だが不器用で仕官がかなわない武士、三沢伊兵衛とその妻たよ。折からの豪雨が旅の途にある夫婦を宿場町に足止めさせる。二人が泊まる安宿には雨が上がるのを鬱々と待つ人々が大勢いた。そんな彼らの心を和ませようと伊兵衛は妻に禁じられている賭試合で金を都合し、酒や食べ物を振る舞う。人々に笑顔が戻った時、雨もようやく上がった。やっと外に出られた伊兵衛は偶然若侍同士の果たし合いに遭遇してしまい、懸命に彼らを止めるのだった。その一部始終をこの宿場の藩の城主である永井和泉守重明が見ていた…。黒澤組スタッフとゆかりのものたちの熱い想いが、黒澤明の果たせなかった幻の企画を、今、現実にする。

<黒澤明監督の覚え書きより>
これは、主人公とその妻のドラマである。まず、その二人の関係をじっくりと描かねばならない。夫の愛に生きている妻は、そのままの生活で満足している。しかし夫は、貧しい生活が妻を不幸にしていると思っている。もっと出世してもっと楽な生活を送らせようと齷齪(あくせく)している。妻は、そんな夫を見ているのがつらくて、悲しいのに、夫には妻の心がわからない。時−享保、戦国時代が終わり、次にその反動として奢侈逸楽(しゃしいつらく)を追う元禄時代になる。そして、それに飽きそれを遠ざけて、質実尚武を尊ぶ享保時代が来る。これは、その時代の話である。見終って、晴々とした気持ちになる様な作品にすること。

◎主要キャスト
三沢伊兵衛−−−−−寺尾聰
三沢たよ−−−−−−宮崎美子
永井和泉守重明−−−三船史郎
奥方−−−−−−−−檀ふみ
石山喜兵衛−−−−−井川比佐志
榊原権之丞−−−−−吉岡秀隆
内藤隼人−−−−−−加藤隆之
おきん−−−−−−−原田美枝子
説教節爺−−−−−−松村達雄
辻月丹−−−−−−−仲代達矢

三船史郎: 1950年11月27日東京都世田谷区生まれ。三船敏郎の長男。69年成城高校を卒業、成城大学経済学部入学。大学在学中の70年に出目昌伸監督作『そのひとは女教師』で岩下志麻扮する高校教師と恋愛関係となる高校生役を演じてデビューを果たした。続いて三船プロダクション製作で岡田裕介、中野良子と共演した松森健監督作『二人だけの朝』(71)に出演。三作目の『サンドロップス』に出演するが未完成となり、以降は映画出演はない。大学卒業後はイギリスのケンブリッジにある語学学校に1年半在籍、75年に父の敏郎がドイツのミュンヘンにオープンした<ジャパン・レストラン三船>で6年間支配人を務めた。80年には資生堂アウスレーゼのTVコマーシャルに出演。81年に三船芸術学院開校に際し、三船プロダクションの仕事を手伝うために帰国。その後は総務、経理、企画、副社長を経て、現在は代表取締役を務めている。本作は28年ぶりの映画出演となる。
(text from Asmik Ace Entertainment, Inc. site)

テレビ東京 120min 2002-10-14 (ホリデーロードショー) Air ckeck by Sony Giga Video Recorder v4 Stereo

> DR-178にもあり





●ハイビジョンスペシャル 「黒澤明・心の記録・47冊の創作ノート」

NHK総合 60min 1999-11-30 (NHK MIDNIGHT CHANNNEL) video8-120MP PCM Stereo >>> Sony Giga Video Recorder v4 Stereo





●その後の黒澤組

NHK総合 10min 1999-11-30 (NHK MIDNIGHT CHANNNEL) video8-120MP PCM Stereo >>> Sony Giga Video Recorder v4 Stereo
(15分番組の後半、BS放映予定の黒澤作品ラインナップは削除した)







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