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●新日曜美術館 「風土を背負って光る色」 〜色彩の画家 今井繁三郎〜

「夢を追う者」という題の150号の作品がある。巨大な赤い色面と子どもが書いたような人物、まるで子どもが描いた落書きのような絵である。作者は今井繁三郎(1910〜2002)。そのとき、90歳だった。「芸術家はもう沢山だ。ほんとに人間として、人間の悲しみを知る画家が出てもいいと思う」。20代に出会った竹久夢二のこのことばに、今井は深く共感した。死ぬまで交流が続いた画家・山口薫から受けたインスピレーション、30代に訪れて以来、40年通い続けた長崎で獲得した東北とは違う色彩と文化、そして40代で初めて経験したヨーロッパの芸術、特にルネサンス以前のテンペラ画やフレスコ画から今井は強烈な印象を受けた。こうしたさまざまな体験が今井の絵画世界をより豊かなものにしていった。晩年、今井は自分の制作の心構えを「いろは」にして座右の銘としていた。たとえば、「ほ 奔放は常に内在していなければならぬ」、「う うまく描こうとしてはだめだ」、「え 絵はえそらごと」「ゆ 夢のある絵を描くべし」……。老境に入った画家はこれを実践すべく心の赴くまま筆を執りつづけていた。そうした中から、84歳の時の作品「埋葬」、88歳の「聖少女」、89歳の「殉教者」、90歳の「大衆ではない」など今井の傑作が誕生した。絵は自力で発表するもの、との信念から画商との付き合いを拒み専ら個展を発表の場としていた今井、それ故あまり人口に膾炙(かいしゃ)しないまま一生を終えたこの画家は、いい意味でのアマチュアリズムをもち続け、純粋に美を追い求め続けた夢追い人だった。東北が生んだ鬼才、今井繁三郎の全貌に迫る。
(text from NHK site)

ノイズなし
NHK教育 45min 2006-02-19 Air check by Sony Giga Video Recorder v4 Stereo





●新日曜美術館 「黒と闘った男」 〜洋画家・須田国太郎〜

黒い絵を描く画家がいた。昭和を代表する洋画家・須田国太郎(1891−1961 京都生まれ)だ。風景であれ、人であれ、動物であれ、絵のモチーフを黒で描き続けた画家。司馬太郎は須田の個展の印象を「世界で唯一の、孤絶する巨大な創造の中を歩いた」と評しエールを送った。フランス印象派がもてはやされ、誰もがパリを目指した大正時代。大学で美学美術史を専攻し、学者を志した須田は、黒を基調としたバロック美術に関心を抱き一人スペインへと旅立ち、そこで画家への道を歩み始めた。対象を明暗の対比によって浮き彫りにした須田は、印象派とは異なる手法で「光」を表現しようとした。そこには、自身が50年間稽古に打ち込んできた『能』の影響が色濃く反映されている。真っ暗な背景と舞台の主体だけを照らし出す明かり。須田の絵は、能舞台そのものにも見える。昭和の洋画100選に選ばれた代表作『犬』は、きわめて濃度の高い黒色絵の具で描かれた作品だが、キャンバスに強い光を当てると、深い陰影の中に、あやしく揺れる美しい微光、様々な色彩が浮かび上がることが近年明らかになった。須田の「黒」は、無限の広がりと深さを持ったものだったのだ。東洋芸術と西洋芸術を融合させた須田の「黒い芸術」はいかに作られていったのか? 番組では、須田の色彩へのこだわりに焦点を当て、残された日記を手掛かりに、須田芸術の全貌に迫る。
(text from NHK site)

ノイズなし
NHK教育 45min 2006-01-15 Air check by Sony Giga Video Recorder v4 Stereo





●新日曜美術館 「やまと歌に託された王朝の美」

今年は、『新古今和歌集』成立から八百年。そして、『古今和歌集』の成立から千百年の節目に当たり、各地の美術館などではこれにちなんだ展覧会が催され、国宝や重文に指定されている書の作品や歌仙絵などが展示されている。平安時代の初め、905年に紀貫之らが撰者となった『古今和歌集』から鎌倉幕府成立直後の1205年、藤原定家らが編纂した『新古今和歌集』までの三百年間は、平安文化、すなわち、王朝の美が最も花開いたけんらんたる時代だった。中でも和歌(やまとうた)を記した流麗な「かな文字」は、この時代に生まれ、完成された王朝美を代表する芸術。紀貫之筆と伝えられる『高野切』は、かな文字の王者といわれ、今も、かな書の手本とされている。『古今和歌集』の時代、和歌の多くは屏風や障子に描かれた大和絵を飾るために詠まれ、色紙形にかな文字で記され、絵とともに鑑賞された。平等院の扉絵や神護寺の山水屏風(共に国宝)がそれである。さらに平安時代中期になると、和歌は華麗な料紙などに認められるようになる。現存最古の『古今和歌集』の写本として知られる国宝『元永本・古今和歌集』の贅を凝らした料紙は、継ぎ紙、墨流し、金銀箔散し、雲母刷りなどの様々な手法によって飾られ、今もため息が出るほどの美しさを誇っている。番組では、古今千百年・新古今八百年を記念して公開される貴重な書や絵画を通して、王朝の美を育んだ平安人の芸術観を探る。
(text from NHK site)

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NHK教育 45min 2005-11-20 Air check by Sony Giga Video Recorder v4 Stereo







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