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●NHK人間講座 「数学の愛しかた」


ピーター・フランクル Peter Frankl 数学者 1953年生

ハンガリー生まれ。1971年国際数学オリンピック金メダル。オトボス大学入学。77年博士号取得。78年サーカス芸人国家試験合格。79年フランスに亡命。80〜88年米国・英国・インドなどに招待され共同研究・講演。88年から日本在住。92年算数オリンピック設立以来、専務理事。ハンガリー学士院メンバー。日本ジャグリング協会名誉理事。著書は『世界青春放浪記』『僕が日本を選んだ理由』『ピーター流らくらく学習術』『日本人のための英語術』『頭のよくなる本』『美しくて面白い日本語』等多数。数学の論文は200篇以上に及ぶ。NHK教育テレビ『マテマティカ』等、出演番組多数。


第1回 数学者の国・ハンガリー
人々に愛される大道芸人で、数学者であるピーター・フランクルさんは、 数学は愛であり、人間的な学問であると言います。第一回は、九九を始めとする計算能力の高さと裏腹に、数学イコール正確な計算能力と考えている日本の数学教育の問題点を指摘しつつ、独創性と豊かな発想力を育てようとしている母国ハンガリーとの共通点や違いについてお話しいただきます。ハンガリーの数学教育の中でも、高校生による数学の全国コンテストや偉大な数学者たちが協力する『ケマル』という雑誌のお話からは、なぜハンガリーから数学者が育つのか、そして数学者の“数学への愛情”が伝わってきます。

第2回 僕が数学者になった理由
ピーター・フランクルさんは、ハンガリーの地方都市カポシュバールで4人家族の長男として生まれました。幼い頃すでに数学的な才能を発揮して、周囲を驚かせたと言います。挫折や不運も体験したピーターさんが、数学の道に進むことを決意したのは、一つには数学オリンピックをはじめ、あらゆるコンクールに優勝していた天才青年ラースロー・ババイとの出会いでした。そしてもう一つが高校4年の時に数学オリンピックのハンガリー代表に選ばれ、6問全問正解で金メダルを受賞したことです。もう一つの顔である大道芸人としての思いもお話しいただきつつ、ピーターさんが数学者になるまでの道のりに迫ります。

第3回 二人の天才数学者〜エルデシュとトゥラン
ハンガリーに生れた二人の偉大な数学者、ポール・エルデシュとポール・トゥランについて、お話しいただきます。無二の親友である二人が学生時代を送った1930年代、ヨーロッパにはファシズムの嵐が吹き荒れていました。エルデシュは、生涯に1500にも及ぶ論文を書いた数学界の巨人で、自分の頭脳ひとつを引っさげて世界を巡り歩いた“数学の放浪者”とも言われています。一方のトゥランは、強制労働所という極限状況の中で数学を考え、整数論・グラフ理論の分野で大きな業績を上げた偉大な数学者。二人が辿った足跡を織り交ぜながら、天才数学者の魅力に迫ります。

第4回 自由な研究を求めて〜ラチ・ババイとぼく
冷戦下のハンガリーに生きたラースロー・ババイ。ピーターさんのもっとも親しい友人の一人で、愛称は『ラチ』。14歳のとき、数学コンテストで優勝したのを皮切りに、頭脳を競うテレビコンテストなど、優勝の連続。図抜けた受賞暦を持つラチは、名門オトボス大学に入学し、専門的な勉強を始めることになりました。しかし当時のハンガリーは自由のない社会。ラチやピーターさんは煩雑な手続きを繰り返し、ラチはカナダ、アメリカへ、ピーターさんはフランスへ留学します。冷戦の時代に生まれ、自由を求めつつ生きた数学者の姿を見つめます。

第5回 ゲーム理論で見る政治・経済
ハンガリーが生んだ『20世紀最大の頭脳』と呼ばれるジョン・フォン・ノイマン。超一流の数学者であったノイマンは気象学、量子力学、経済学など他の分野への数学の応用に取り組み数々の輝かしい成果をあげました。今回はその中でも、政治や経済を数学で分析する『ゲーム理論』について具体例をあげ、その要になる『均衝点』などについて話します。また、冷戦下のアメリカとソビエトの戦略兵器削減交渉のモデルになるなど、別の角度からゲーム理論を政治の世界に応用させたハンガリー出身の経済学者ジョン・ハルシャー二(ノーベル経済学賞受賞)にもふれながら、数学が現代社会に果たしている役割についてお送りいたします。

第6回 IT社会と数学
情報社会、IT社会と呼ばれる現代を支えるコンピューター。このコンピューターの計算、記憶、通信といった様々な機能は数学的な理論の上に成立しています。しかし近年、さまざまなネット犯罪が増加するなど、安全性が問題ともなっています。ネットの安全性を確保するために注目されているのが、数学に基づく暗号理論です。最新の暗号理論の仕組みと数学との関係をひもときながら、IT社会を守る「数学」の役割について話します。

第7回 「数学オリンピック」を知っていますか
国際数学オリンピックは、世界80カ国以上の若者が参加する世界最高峰の数学コンテストで、1959年以来、毎年開かれています。2日間かけてひらめきを必要とする六つの難問に挑戦し、上位成績者に金銀銅メダルが与えられます。ピーターさん自身も1971年に、金メダルを獲得しました。昨年7月、日本で第44回国際数学オリンピックが開催され、6人の代表が参加し、金メダル1個獲得、国別対抗では第9位の成績をあげました。番組では数学オリンピックの歴史や日本とハンガリーの取り組み方の違い、その意義について語ります。

第8回 数学の魅力を伝えたい
最終回は、日本とハンガリーの教育現場に触れてきたピーターさんが、学校と親の教育における役割、その目的と方法について語ります。数学を計算の学問だとする考え方に対し、コンピューターの計算能力を上手く活用することでより深い数学の魅力と創造性に到達できることなどを語ります。また『数学は教え方次第で面白くなる。』としてその方法も示します。『数学の魅力に気づけば、50歳から学び始めても決して遅くない。そして知の楽しみをもつことは、お金やモノをもつことよりも、ずっと幸せなことなのです。』とピーターさんはしめくくります。
(text from NHK site)

<回により受信障害により映像・音声全体に軽いノイズあり>
NHK教育 25min 2004-08-10〜09-28(すべて2004-08-03〜09-21の再放送分を録画)
Air check by Sony Giga Video Recorder v4 Mono (MPEG-1)


> トラックメニューでは第7回を「第8回」と誤記している







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