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●プロジェクトX 挑戦者たち(152) 「革命ビデオカメラ 至難の小型化総力戦」

結婚式や我が子の誕生。かけがえのない一瞬は、かつて、写真で残すしかなかった。そこに昭和60年、革命が起きた。世界初のホームビデオカメラ(カメラ・ビデオ一体型)の誕生である。それまで撮像管が使われ、巨大でプロ用に限定されていたビデオカメラが一気に小型化、女性でも扱える軽さになった。鍵は「CCD」と呼ばれる新しい半導体の開発。わずか1センチ四方の大きさに、25万個もの電子の目を持つ部品だった。開発に挑んだ会社はソニー。リーダーは、それまでテレビや電卓といった主力製品の開発から外れた目立たない技術者だった。昭和37年、ソニーに入社した越智成之。半導体の研究開発で高性能の製品を作りたいと、大きな夢を持っていた。だが、担当はスピーカーなど部品の検査。テレビや電卓といった主力商品には行かせてもらえず、悶々とした日々を過ごしていた。しかし8年後、越智はアメリカで出されたばかりの論文で、夢の技術に出会う。半導体の材料・シリコンが、光に当たると電子を生む性質に目を付け、映像をとらえるCCD(電荷結合素子)だった。「これを成功させれば一発逆転できるかもしれない」。独自の研究を始めた越智。間もなく、ある会社幹部の目にとまった。会社の創業メンバーで、副社長の岩間和夫。ソニーのトランジスターを開発し、会社の礎を築いた男だった。実はこの時、ソニーは創業以来の危機にあった。シャープが超小型電卓を発売。会社の主力商品・電卓が小型化競争で敗れ、生産中止となったのである。「CCDで会社の半導体をよみがえらせる」。岩間は、越智の開発を直轄の正式プロジェクトとした。しかし、開発は困難を極めた。CCDに求められるのは、1000分の1ミリ単位の加工技術。試作品を作り画像を出すと、無数の傷やボケが出た。さらに、生産現場に飛び散る無数の塵が入り込み、工場は不良品の山を築いた。瞬く間に巨額の赤字となったプロジェクト。社内からは撤退勧告の声が上がった。その時、工場の製造ラインに立つ女性たちが問題解決に立ち上がった。番組は、ホームビデオカメラ開発の陰に繰り広げられた物語を取材。日本の半導体産業の根幹を築き上げた人々の熱き思いを伝える。
(original text from NHK site)

NHK総合 42min 2004-09-14

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