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●プロジェクトX 挑戦者たち(168) 「首都高速 東京五輪への空中作戦」

1100万人が暮らす世界一の過密都市・東京。立ち並ぶビルの中を縫うように走る道がある。「首都高速」。自動車専用二車線道路。高架橋にトンネル、曲がりくねった数々のジャンクションを一気に抜ける。実はこの道、あの東京オリンピックの成否を懸けた道路だった。敗戦から14年が経った昭和34年。日本は、ある一大イベントの開催に沸いていた。「東京オリンピック」。敗戦国日本の復活を全世界にアピールする。だが、そこに大問題が持ち上がった。首都を大混乱に陥れていた交通渋滞である。一極集中にモータリゼーション。都心部の信号は、朝から晩まで2度待ちしても渡れない始末。羽田から大会会場となる代々木まで、なんと2時間もかかった。その時立ち上がったのは、焼け野原となった東京の復興に懸けてきた東京都庁の技官たち。オリンピックまで、わずか5年。すごい手に打って出た。「用地買収がいらない川の上や道路の上を通る高架橋の空中道路を造ろう」。しかし技術者たちの前に、すぐ大きな壁が立ちはだかった。4本の高速が合流する江戸橋ジャンクション。上下3層の構造となるが、それを支える橋脚は実に100本。ビル地帯の現場には橋脚を立てられる場所が少なく、建設不可能だった。さらに、皇居すぐ脇の三宅坂。警備の都合から、高架橋案が却下。急遽、トンネルへの変更を余儀なくされた。そこに致命的な問題も噴出。なんと、羽田空港付近の工事に乗り出そうとした時、地元の漁師たちが「工事をすれば海苔の養殖に影響が出る」と、工事差し止めを要求し出したのである。絶体絶命のその時。日本各地から加勢の声が上がった。戦後、軽く丈夫な鋼材造りに懸けてきた室蘭・日本製鋼所。世界最強、トンネル用支柱造りを買って出た大阪の水道管メーカー・久保田鉄工。そして、漁場を荒らすことなく工事ができる魔法のトンネル「沈埋函」建造には、日本造船界から石川島播磨重工。プロジェクトは、戦後日本の復活を担ってきた総勢130社・10万人の闘いとなった。番組は、世界の道路技術者をうならせた奇跡の道路「首都高速道路」誕生の物語を詳細に取材。わずか5年間ながら、その後の都市道路の基盤となった技術の凄さと、そこに懸けた技術者たちの熱い思いを伝える。
(original text from NHK site)

NHK総合 43min 2005-04-05

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