VD-019

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45min×2


NHK教育



ETV2002
シリーズ・緒方貞子の仕事


(1) 難民と歩んだ10年 〜緒方貞子・前国連難民高等弁務官〜

10年間にわたって国連難民高等弁務官(UNHCR)を務めた緒方貞子さんが、2000年12月に退任。
旧ユーゴスラビア、ルワンダ、東ティモール、コソボと、緒方さんが在任した10年は、
冷戦の終結に伴い、世界の各地で内戦や民族紛争が頻発し、難民が急増した時代だった。
緒方さんは難民援助の実践にあたりながら、やつぎばやに改革を断行。
官僚的で効率が悪かったUNHCRを、国連の中で最も機動力と実行力を備えた組織に変身させた。
その後も緒方さんは、「人道援助だけでは問題は解決しない」として、
対立した民族間の和解と共存を実現するためのさまざまなプログラムをスタートさせている。
「難民の世紀」と言われた20世紀の最後の10年、緒方さんは難民問題にどのように向き合い、
解決への道を模索しつづけたのか。緒方さんへの長時間にわたるインタビューを軸に、
21世紀、われわれは難民の問題にはどのように取り組むべきなのかを考える。


(2) 緒方貞子の見た米同時多発テロ事件

前国連難民高等弁務官の緒方貞子さんが、テロ事件後はじめてテレビインタビューに応じることになった。
昨年末に国連難民高等弁務官を退任した緒方さんは、今年5月からニューヨークに移り住み、回顧録の執筆に専念していた。
緒方さんがいま最も懸念するのは、激増するアフガニスタン難民の問題である。
ソ連軍のアフガン侵入以降の内戦、そしてタリバン政権の抑圧、連続する干ばつの中で、
アフガニスタンからは絶え間なく数百万という難民が流出する、世界で最も難民が多い国である。
テロ事件以降、アメリカの報復を恐れて避難民はさらに増えており、
多くがパキスタン国境に殺到しつつある。しかし、難民の受け入れは遅々として進んでいない。
任期中、緒方さんは何度かアフガニスタンを訪れ問題解決の道を探った。
去年9月にもタリバン政権幹部と難民問題について交渉した。
退任前の記者会見では、大規模な人道危機が今後も発生することを予見し、
「忘れられた最大の難民問題」としてアフガニスタン問題の解決を強く訴えた。
それだけに、今回の問題に対する危機感は誰よりも強い。
ニューヨークに暮らす一人の市民として、テロ事件とアメリカ国民の反応はどのように見えたのか。
そしてアフガニスタン周辺地域の平和の安定のための長期的施策は、どのようにあるべきと考えているのか。
緒方さんに、両方の視点から語ってもらう。



2002-02-11・12


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