VD-142

SP
50min
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NHK総合



NHKスペシャル「空海の風景」

[前編]大唐渡海の夢

全2回シリーズの前篇「遥かなる長安」は、四国讃岐における空海の誕生から、
京の都での大学入学、俗世の出世栄達の道を自ら絶ち切り、
紀伊半島や土佐の樹林の中での厳しい修業を通じて出家、
後に空海と並ぶ日本仏教二大始祖となる最澄とともに、遣唐使船に乗り込み、
文明の中心地であった中国唐の都長安を目指すまでを辿る。
中国福建省の漂着地において、
「空海が幕を跳ね上げるようにして歴史的空間という舞台に登場する」までの、
空海の人生を、司馬遼太郎の歴史解釈・想像力を軸に、
現在のそれぞれの場所に、今を生きる人々の姿を交えて描く。


[後編]弘法大師への道

司馬遼太郎は『空海の風景』のテーマを「天才の成立とはどういうことか」に置くと書き残している。
空海の「天才性」は、空海31歳の入唐から日本帰国、62歳での入定までの後半生に余すところなく発揮される。
後篇「弘法大師への道」は、まさにその時期の空海の生涯を、現代の風景に重ね合わせながら、
どのようにして彼の「天才性」が形作られ、生かされていったかを描くことになる。
民族・人種・宗教による差別がなかった長安において、空海は、
当時の日本人がもち得なかった「普遍性」と「国際性」を獲得してゆく。
通訳を要しない語学力、唐の文人が驚嘆した文章家・書家としての卓越性、
世界最先端の土木工学・科学技術の習得、そして、
ただひとり密教の正統後継者に選ばれた学僧としての成功。
空海は帰国後、当時の日本の天皇を中心とした「国家」という枠に縛られない視野の広さを持ち続け、
持つ力の限りを尽くして、宗教・教育・建築・文化におびただしい行跡を残した。
映像化に当たっては、音のキー・イメージに中村吉右衛門氏の朗読、
絵のキー・イメージに造形作家・内海清美(うちうみ・きよはる)氏による空海和紙人形を設定。
ともすれば「遠く」「難解に」なりがちな『空海の風景』を現代に甦らせる演出構成を試みる。


原作:司馬遼太郎
朗読:中村吉右衛門
人形:内海清美


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「お大師さん」として古くから日本人に親しまれ、敬われてきた弘法大師・空海。
作家・司馬遼太郎は、日本が高度成長時代を終え、新たな価値観の模索にあえいでいた頃、
空海の生涯を見つめ、長編『空海の風景』として完成させた。
生前、司馬氏は、自らの「作家としての代表作」と呼んだこの原作を、
フィクションを交えたドラマ仕立てで映像化されることを拒んで来た。
しかし、このたび、『空海の風景』の現場をドキュメンタリーとして辿るNHKの企画に対して、
映像化が許可され、初の映像版『空海の風景』として制作することになった。


2002-01-04・05 STEREO


video8-120MP


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