VD-186

SP
50min×3


NHK総合



NHKスペシャル 「アジア古都物語」


(1) 路地裏にいきづく皇都 〜中国・北京〜

3000年の歴史を持つ中国の古都、北京。皇帝の都として栄えてきた北京の文化を育み、
受け継ぐ舞台となったのが表通りから一歩入った路地、胡同=フートンである。
フートンが生まれたのはおよそ700年前の元の時代である。その後、時代を経る中で、
皇帝の住まいだった紫禁城を何重にも取り囲むように張り巡らされていった。
歴代皇帝も愛した「闘コオロギ」や行商の呼び声、
皇帝に仕えた人の末えいが受け継ぐ宮廷料理、清朝皇帝の末えいなど、
フートンには、王朝時代からの様々な伝統や皇帝の都に生きた人々の思いが受け継がれてきた。
しかし今、北京では史上最大規模の開発が進められている。
去年7月に2008年夏のオリンピック開催が決まり、
古いたたずまいを残すフートンの多くが取り壊される事になった。
番組では路地フートンで様々な伝統を守り継ぐ人々の姿を通じて、
再開発に揺れながらも古都の営みを愛し、誇りとしつつ生きる古都北京の物語を描く。

2002-01-20 STEREO



(2) 生と死を見つめる聖地 〜インド・ベナレス〜

大河ガンジスの中流域に開けた都市・ベナレス(バラナシ)。日の出とともに、岸辺は沐浴する人々で溢れかえる。
この町ができたのは3000年以上前。今もインドの人口の8割を占めるヒンドゥー教徒最大の聖地である。
ベナレスは独特の都市構造をもっている。町の中心から外にむかって半円の環のように広がっている。
中心に火葬場があり、それを取り囲むように寺院や祠(ほこら)が配置されている。
「この町で人生の最期を迎えれば天国にむかうことができる」と信じられている。
家族に連れられ、この地で死を迎えようという人々は、『死を待つ家』に身を横たえ、家族に見守られながら死んでいく。
またベナレスには、家族や仕事を投げ捨て、修行に励む僧侶達も集まってくる。
ひたすら祈りとめい想を続け、より良い"生"の模索を続けるのである。
番組では、度重なる破壊や近代化の波をくぐり抜けながら、今も変わらず"生と死の都"であり続けるベナレスを見つめていく。

2002-02-17 STEREO



(3) 王と民が支える平和の都 〜インドネシア・ジョグジャカルタ〜

オランダの植民地時代、ジャワ島を支配していた王国の都・ジョグジャカルタ。
ジャワ民族の心の故郷といわれるインドネシアを代表する古都である。
街の中心にある王宮には、王国が無くなった今もスルタンと呼ばれる王様が暮らしている。
スルタンは八百万の神と結ばれた神の使いと信じられ、民衆の精神的支柱となっている。
その一方、州政府の知事として経済の混迷に苦しむ民衆の生活改善などに奔走している。
民衆の救いを受け止めるスルタンには1600人あまりの民衆が家臣や召使いとして仕えている。
毎日王に食事を運ぶ双子のお庭番。王家の思想や哲学を民衆に伝える影絵芝居師。
植民地時代から王を守り続ける老兵士。家臣たちは200年以上にわたって先祖代々、
スルタンと共に王国の文化と伝統を守り続けている。
番組では、互いに支え合い、信頼し合いながらジャワ民族の文化と伝統を守り、
平和で幸福な社会を実現しようとする王と民の物語を描く。

2002-03-24 STEREO



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悠久の歴史を持つアジア。
そこには各民族が心の拠り所にしているいくつもの「古都」がある。
新世紀、欧米中心のグローバルスタンダードが世界を席巻する中、ふと見渡したアジアの地に、
数千年の時を越えて引き継がれてきた美しい都があることに気づかされるのである。
多様にして奥深い都の、変わることなきたたずまい。
それは私達の誰もが心の奥底に、「古都」という「心の故郷」を持っていることを気づかせてくれる。
このシリーズは多様な広がりを持つアジアの古都の、その深層部を取材することで、
過去と現在をつなぐ「神秘の物語」を見つけ出そうという大型企画である。
数千年の歴史を持つ伝統芸能、世俗を捨て去った修行僧、奥深き王宮の生活。
ハイビジョンカメラがこれまで見ることのなかった知られざる都の姿をとらえていく。
また古都創建当時の都のたたずまいをハイビジョンCGで精緻に再現することで、
それぞれの民族が引き継いできた独自の世界観も描き出す。
21世紀、大阪新放送会館完成を記念して、
NHKがアジアの魅力を存分に伝える大型シリーズである。

語り:松平定知/中川 緑
音楽:冨田 勲


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