VD-240

SP
45min
50min


NHK教育/NHK総合



●ETV2002 「環境時代の建築へ」 〜安藤忠雄の挑戦〜

「日本の産業廃棄物のうち、建築関連が占める割合は実に9割。
今や建築家は、自己顕示欲に任せての形遊びをつづけていられる時代ではない」と建築家の安藤忠雄さんは実感したと言う。
安藤さんが参加する数々の国際的なコンペの中でも、世界の建築は「環境重視」したものが大きな潮流となってきた。
建築物の存在感をできるだけ消し、周囲の森や畑と言った景観のみが感じられる「見えない建築」。
消費エネルギーをできるだけ少なくするハイテクのエコロジーの高層建築も目立つ。
安藤さんも瀬戸内に残る景観をよみがえらせようと、瀬戸内海沿岸に植樹を広げる活動を続けたり、
ロンドンの古い発電所の建物をそのまま残しながら、ガラスを建材に内部を新しく再生するテート・ギャラリーなど、
「環境に負担をかけない建築」とは何か、模索を続けている。
また最近ニューヨークでは、世界貿易センターの跡地に何を建てるか議論が百出しているが、
安藤さんは、あえて建物を建てず地球の一部をイメージした緑の「円墳」を作るというユニークな建築案をまとめた。
「環境」の時代、世界の建築は今どこへ向かおうとしているのか。
安藤さんが試みを紹介するとともに、様々な世界の建築物を安藤さんが解説し考えていく。
(text from NHK site)

2002-04-23 (2/20放送の再) AFM Stereo



●NHK SPECIAL 「奇跡の詩人」 〜11歳 脳障害児のメッセージ〜

脳障害を抱えながら驚異的な才能を発揮して、本や詩集を次々と発表している男の子がいる。
本は、日常に押しつぶされてしまいそうな大人たちの心をとらえ、16万部を超える勢いで売れている。
男の子は横浜市在住の日木流奈(ひきるな)君。誕生直後の手術の影響で脳に大きな損傷を受け、
自分で立つこともしゃべることもできない。5歳の時までは自分の意志をまったく表すことができなかった。
流奈君が受けたのは、アメリカで開発されたドーマン法というリハビリ。運動訓練とともに知性面でのトレーニングも重視する。
流奈君は5歳の時に、文字が配列された文字盤を指差すことで初めて意思を表現、以来、その文字盤を通じて会話や執筆を行っている。
流奈君の知識の源泉はその驚異的な読書量にある。哲学から宇宙論まで大学レベルの本をこれまで2千冊も読破してきた。
今、流奈君は、妹の誕生をきっかけに、新たにエッセイの執筆に挑戦している。
妹が大きくなったとき、世界が幸せであふれていてほしいという願いから、大人に幸せのメッセージを伝えておきたいという。
流奈君の言葉はなぜ大人たちの胸を打つのか。なぜわずか11歳の男の子がそのような言葉を表現できるのか。
ひとりの脳障害児の奇跡ともいえる創作活動を見つめる。
(text from NHK site)

2002-04-28 AFM Stereo

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◎NHKによる公式見解

4月28日放送「奇跡の詩人」について

放送直後から多くの反響をいただきました。そのなかには「信じられない」、「流奈くんの本当の言葉なのか」など、
疑問をいだいた方からのご意見がかなりありました。そこで、取材の経緯などについてご説明いたします。

流奈くんの言葉が本当に彼自身の言葉なのかについては、
当然のことながら取材スタッフが最初に確認しなければならない問題でした。特に、
1) 文字盤は正確に指されているのか
2) そうだとしても、お母さん自身が指しているのではないのか
の2点が重要だと考え、流奈くんの家族はもちろん様々な取材を行いました。

文字盤については、流奈くんが文字盤を使い出した初期のビデオやNHKが撮影した現在の素早い動きのものも、
映像をスローモーションにして子細にチェックしましたが、間違いなく指していることが確認できました。
指している回数と言葉の数が合致しない例がありますが、これは文字盤には「わたし」や「はい」、「取り消し」などの
ボタンがあることや、濁音を飛ばしたりしているせいだということもわかりました。

お母さんが自分で話しているのではないかという点については、流奈くん自身が、非常にゆっくりですが、
補助を受けずに文字盤を指して言葉をつくれることを確認しています。
また、取材スタッフは、お母さんの知らないことを流奈くんが話すケースを何回も確認しています。
そして、成長記録には、最初のたどたどしい言葉から次第に洗練された言葉に変わっている過程が時間を追って
詳細に記録されていること。お父さんや親しいボランティアの人も文字盤を使って簡単な意志疎通ができること。
これら取材現場での観察から、お母さん自身が話しているという可能性はないと判断しました。

専門家の意見も聞きましたが、重度の運動障害がある場合には、知的能力を探る方法が確立されていないことがわかりました。
もしこのような検証を行うとすれば、流奈くんにかなりの物理的な苦痛を強いることになり、適当ではないと考えました。

以上のことから、信憑性を否定する事実はないと判断しました。また番組は、脳障害児の能力を科学的に検証することを
意図したものではなく、流奈くんが発する感性豊かなメッセージを伝えることを意図したものであることから、
流奈くんと家族のそのままの姿を放送することにしました。

しかし番組をごらんになって、納得できないという印象を持たれた方がいらっしゃったことも事実であり、
説明が必ずしも十分でなかったことは認めざるを得ません。みなさんのご理解を得られるよう
今後もいろいろな形でご説明をしていきたいと思います。
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