VD-302

SP
45min
45min


NHK総合



プロジェクトX

(59) 「兄弟10人 海の革命劇」 〜魚群探知機・ドンビリ船の奇跡〜

今や世界中の漁船になくてはならない装備となった「魚群探知機」。
超音波を使い、海の中の魚群を見つけだすこの装置は、勘と運に頼っていた
漁業を革命的に変えた。昭和24年、魚群探知機を世界で初めて実用化したのは、
長崎の港町、口之津に暮らす二人の青年だった。古野清孝、清賢兄弟。
二人には8人の妹、弟がおり、失職中の父に代わって、漁船の電気関係の工事作業で
家族の暮らしを支えていた。漁師たちの運任せの仕事を見ていた二人は、
魚を見つけだす機械を作れば必ずあたると動き出す。しかし、作り上げた試作機は
エンジンの振動や海中の泡まで感知してしまい、使い物にならなかった。
最初は協力してくれた漁師たちも怒り出す始末。そのなかに、協力を惜しまない船があった。
五島列島で、もっとも漁獲高が低く「どんびり船」と呼ばれていた枡富丸。古野兄弟と
枡富丸は魚群探知機を必死に改良。一発逆転の秘策を考え出す。家族のために
困難な開発に挑んだ二人の若者と「どんびり船」の船員たちの挑戦のドラマを描く。

2001-07-03 AFM Stereo



(64) 「逆転 田舎工場 世界を制す」 〜クオーツ・革命の腕時計〜

時を限りなく正確に刻む。そんな夢を叶えた時計がある。世界初のクオーツ腕時計。
電気を流すと正確な振動を繰り返す水晶=クオーツクリスタルを使い、一日わずか
0.2秒の誤差を実現した夢の時計である。昭和44年に発売されると、たちまち革命を引き起こし、
今やクオーツは全世界の腕時計の98%を占めるまでになった。
時計を作り上げたのは、故郷を再生しようと立ち上がった男たちだった。
かつて製糸業で栄えた信州・諏訪湖一帯。ここで生まれた時計工場があった。「諏訪精工舎」。
工場長は地元商店街の時計店店主だった山崎久夫。化学繊維の登場で壊滅的な
打撃を受けた町を何とか蘇らせたいと時計作りを決意した。
職を失っていた女工を雇い、ゼンマイ腕時計の生産を開始した。女工たちが
繊細な指先で組み立てた時計はその正確さで評判となった。
しかし、アメリカで全く新しい技術を使った電子時計が発売されると、圧倒的な正確さで、
たちまち大ヒットした。同じ技術を使って開発しようにも、特許の厚い壁が立ちはだかった。
窮地に追い込まれた山崎たちは、一つの技術に全てを賭けた。それまで、世界中の
技術者が挑戦してもできなかったクオーツ腕時計の開発だった。
開発は困難を極めた。当時、世界最小のクオーツ時計でもタンスより大きかった。
超小型化と超省電力化が必要だった。しかも、全く耐震性がなかった。
さらに世界の時計王国スイスがこぞってクオーツ腕時計の開発に乗り出した。
それでも山崎はあきらめることなく全国の大学を回り、学生を口説き続けた。
その熱意に打たれた若き技術者たちが諏訪に集い、奇跡の時計の開発に挑んでいく。
故郷の復活に立ち上がった男と、その心意気に応えた若手技術者たちの、
今に語り継がれる逆転のドラマを描く。

2001-09-04 AFM Stereo


video8-120MP


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