VD-304

SP
45min
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NHK総合



プロジェクトX


(65) 「白鷺舞え 空前の解体工事」 〜姫路城・定年前の大仕事〜

世界でも有数の巨大木造建築、国宝・姫路城。
終戦後、倒壊寸前にまで荒廃していたこの城を救ったのは、昭和31年から8年間にわたって行われた解体修理である。
高さ50メートルの天守閣をいったんバラバラに解体して、一から組み直す前代未聞の難工事となった。
リーダーに指名されたのは、まじめ一途な文部技官・加藤得二。
奈良で寺院の修復を手がけていた加藤にとって、姫路城は経験したこともない巨大建築物だった。
ふるさとの城を救えと、地元の大工など100人が参加し、「播州一の宮大工」と謳われた和田通夫が、棟梁を務めた。
最大の問題は、城の要となる長さ25メートルの心柱(しんばしら)。大きく傾き、内部が腐っていた。
代わりとなる、巨大なヒノキを求めて、加藤は日本中を歩き回る。
巨木探しのさなかを襲った、思いがけない事故。プロジェクト最大の危機に、和田が発した起死回生の一言とは・・・
誇りと技をかけて、天下の名城をよみがえらせるために闘った男達の壮絶なドラマを描く。

2001-09-11 STEREO



(68) 「リヒテルが愛した執念のピアノ」

昭和44年。1台の日本製ピアノがヨーロッパ中の話題をさらった。美しい音色に、素晴らしい鍵盤のタッチ。
18世紀イタリアで生まれ、「楽器の王様」と称されるピアノ。
その300年のピアノの歴史に名を刻んだ、日本の職人たちの執念のドラマを描く。
戦争の傷が未だ癒えない昭和25年。一台のコンサート用グランドピアノが、東京日比谷公会堂で発表された。
作り上げたのは、浜松の楽器メーカー、ヤマハ。聴衆の期待は高まったが、結果は「タガのゆるんだ音」と酷評される。
ピアノが誕生して以来、ピアノメーカーの雌雄を決する最高級のコンサートグランドピアノの分野は、
欧米メーカーが圧倒的に優位に立っていた。「日本人にピアノが作れるはずがない」とまで言われていた。
15年後の昭和40年、ピアノ作りは大きな転機を迎える。名ピアニスト・ミケランジェリとともに来日していた、
イタリア人調律師・タローネが、「東洋の日本で、これほどまでにピアノ作りに情熱を燃やしているとは」と、
ピアノ作りに協力することを約束。これを機に、「もう一度世界一のピアノを目指す」プロジェクトが発足する。
途方もない挑戦に燃える男たち。木工担当の鈴木辰次(36歳)は、親方田中喜三郎からたたき込まれてきた木工職人の技で、
20トンに達する弦の張力に耐える強度を持ち、美しく鳴り響くピアノのボディを組み上げていく。
さらに調律担当の村上輝久(37歳)は昭和41年、「理想の音」を探求するため、ヨーロッパに渡り、腕を磨いていく。
昭和44年1月。完成したピアノを世界に知らしめる機会を得た。場所はイタリア・パドヴァ。
演奏するのは、天才ピアニスト・リヒテル。ヤマハの技術者たちが、固唾をのんで見守る中、
リヒテルは静かにピアノを弾きはじめた・・・。その結果は。新たな伝説の始まりだった・・・。
西洋音楽の伝統に挑戦した、日本の職人たちの熱き戦いのドラマを描く。

2001-10-02 STEREO


video8-120MP


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