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NHK SPECIAL 「変革の世紀」


(1) 「国家を超える市民パワー」 〜国際政治に挑むNGO〜

2002年2月、ブラジルのポルトアレグレ市に世界中から6万人の市民が結集した。
国際政治を自分たちの手で変えていこうと立ち上がったNGOの“世界大会”である。
大会では、経済のグローバル化が貧富の格差拡大や環境破壊の悪化をもたらしているという意見が続出。
市民たちは「市場に支配されない“もうひとつの世界をめざそう」と声を揃えた。
彼らを突き動かすもの、それは、国家に任せていてはグローバル化の暴走を止めることはできないという危機感である。
こうした市民パワーが歴史の表舞台に姿を現したのは1999年。
シアトルで開かれたWTO閣僚会議の会場を5万人が取り囲み、新ラウンド開始をめぐる交渉を決裂に追い込んだ。
それまで各国でばらばらに活動してきたNGOが、先進国と途上国の事情を越え、活動分野を越え、初めて結集した瞬間だった。
シアトル以降、世界各地で、NGOが政治的な発言力を強めつつある。
フランスの「ATTAC」が提唱する投機マネーの規制策「トービン税」は、大統領選挙の争点のひとつになっている。
市民が政策作りに参加する、というATTACの姿勢は、既成政党にあきたらない人々を惹きつけ、
会員数は設立から4年で世界39か国、10万人に達した。
市民パワーの台頭は、国家が主導してきた国際政治の枠組みを変えることになるのか。
ネットワーク上で、街頭で、そして国際会議の舞台裏で、市民パワーの行動・生態・力量を克明に取材し、
21世紀の市民社会の未来像を探る。

2002-04-14 STEREO



(2) 「情報革命が組織を変える」 〜崩れゆくピラミッド組織〜

軍、企業、そして政府機関・・・巨大組織は今、情報化による大変革にさらされています。
その核心は、これまで組織運営の基本とされてきた、トップダウンを旨とするピラミッド組織の行き詰まりにあります。
21世紀、新たに台頭しつつある、いわゆる"分散型システム"。個人や小規模な集団が独自の判断で行動し、
それぞれが相互に作用し合うネットワーク型の組織が主流になろうとしています。
個人の役割や、個人と組織の関係はどう変わっていくのか。
私たちを取り巻く組織の変革の動きを追い、未来社会のあり様を探ります。

2002-05-12 STEREO ---> DR-2627になっている



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国家や大企業が主役を担い、物質的な豊かさを追い求めた20世紀の文明が行き詰まりを見せた今、
現代社会の閉塞感を突き破る新しい時代の胎動が、世界各地で姿を現し始めています。
サミットやWTOの会場を数万人で囲み、国際政治を市民の力で変えようとするNGO。
市場経済がもたらす豊かさに背を向け、福祉や環境保護の仕事に身を転じた人々。
音楽の無料配信をきっかけに、知的創造のあり方を問い直し始めた市民グループ。
変革の原動力となっているのは、高度情報化です。インターネットは人々に情報という強い力を与え、
国境を越えて個人と個人を結びつけ、“地球市民”とも呼ぶべき新しい時代の主役を生みました。
そして今、変革の動きは、国家、経済、文化、さらには私たちのライフスタイルにいたるまであらゆるものを巻き込み、
歴史の大きな潮流になろうとしています。
21世紀、人類はどこへ向かおうとしているのでしょうか。そして私たちはどのような未来社会を築くべきなのでしょうか。
4月から放送を開始する「NHKスペシャル・変革の世紀」は全7回。
今まさに生まれようとする新しい時代の萌芽を世界各地に取材した5本のドキュメンタリー番組に加えて、
夏と秋の2回、インターネットと連動した視聴者参加型番組を放送します。


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